- 2008-07-13 (Sun) 10:54
- Book Reading
『私塾のすすめ ─ここから創造が生まれる』を読了しました。多分、梅田さんの発言はそれこそ CNet 時代から追いかけているから、復習をしているような。それに対して齋藤さんの言葉は違う視点がたくさんあって多くメモをした、と感じです。
まだ2回目なので、あれですが、この“写経”作業はとても面白いけれど、すこし時間がかかりすぎる。それに少し写し過ぎなんではないか、とすこし思うようになってきた。でも、こうやって貯めておくことは、大事な気もするのでとりあえずもう少し続けます。スピードに関しては、慣れれば、速くなるでしょう。
「自分探し」への違和感
齋藤: 「自分探し」という言葉には、以前から違和感があります。僕は、「自分がやりたいこと」を模索していた時期はありますが、「自分」を探したことは全くないです。…自分のことは好きだし、自己肯定できるし、自分が敵になる状況というのは、どんなに悲惨な状況でもありえません。…僕は、自分の気質は変られないと思っているし、あるいは身体性、すなわち身体も、取り替えがききません。小さい頃からどういう遊びをしてきて、何をやってきたかが、全部この身体につまっている。だから「自分」は探さない
齋藤: 出会いを求めて、というのはまだわかるのですが、出会ったときに、自分の全部を明け渡す、今までの自分を全否定することはありえません。出会いを通して自分が成長することはもちろんある。そこの微妙な調整によって、力の発揮の仕方が変わると思います。ちょっとしたきっかけで、決定的なことが起きる。そのちょっとした起爆剤を外部に求める、ということですよね。ロールモデル思考は。
ネットの中で「あこがれのベクトル」を見つける
齋藤: 僕は、教育は「あこがれにあこがれる」という構造だと思っているのですが、自分はそもそも何にあこがれたいかがはっきり見えずに、迷っていたり、もがいているのが普通なんですね。何かに対する強烈な「あこがれ」を体現し、猛烈な勢いで学び続けている先生が身近にいれば、その「あこがれ」に感化される。
「空気」をつくるのがリーダーの役目
齋藤: 読む側も、いろいろなブログをよむことで「志向性感知アンテナ」みたいなものが磨かれる。それは仕事をしていくうえで、一番大切なアンテナかもしれないですね。情報を模索する能力以上に、志向性アンテナのほうが、人生にとっては、大きな影響を及ぼすのではないかと思います。
機能不全におちいった教育
齋藤: 「考えてみなさい」と言われたとたんに、ほとんどの子は考えるのをやめてしまう。「子どもというのは、問題を与えて時間を与えれば考えるものだ」という自発的思考の前提というのが、僕は間違った前提ではないかと思っています。…時間というのは、ドラッカーが「時間こそ最も希少で価値のある資源である」(『経営者の条件』)といっているように、貴重なわけですが、学校では、その時間をただ過ごせばその時間が終わるというふうに時間割がなっている。
祝祭的な学び体験を重視する
齋藤: 達成というのは、できる人とできない人がいると思うんですよ。でも、記憶に関してはみんなかなりの程度、平等にできている。記憶居残るような、祝祭的な学び体験を重視しているので、僕は三日間の集中講義というスタイルが好きです。日常とははなれた非日常的な上達体験があると、あとから思い返しても、それがひとつの礎石になって、その後の生活を方向付ける。
「あこがれ」と「習熟」
齋藤: モチベーションのない人がどうしたらいいのか…端的に言うと、「あこがれ」と「習熟」が二本柱だと僕は思っています。「あこがれ」というのは、これがすばらしいんだとあおあれて、その気になってやってみると言うこと。もうひとつ「習熟」というのは、「練習したらできた」という限定的な成功体験だととらえています。すべてにおいて成功するというのは、難しいのですが、限定的な成功体験があると「できるって面白い」と思える。それに何の意味があるかということは関係なしに、限定的な成功体験によってモチベーションが上がる。「あこがれ」か「習熟=限定的成功体験」のどちらかだと思うんですよ。
齋藤: 僕はその人の存在自体が「あこがれ」を発散しているかどうかを、いつも気にしていて、…「あこがれにあこがれる」という構造ををそこに現出させるためには、その先生が「あこがれのベクトル」になっていないと学びは成立しません。
齋藤: できる人というのは、「このくらいできればいいんだ」ということから逆算してやるので、落ち着いた努力ができるのですが、できないと言われている人の多くは、五里霧中で、いくらやっても努力が無駄な気がしてしまってできないということがあります。
万単位の人からの喝采体験
齋藤: いま、子どもを育てるときの「励まし」が以前より必要になっている、ということがあります。とにかく子どもたちは励まされたい、存在を承認してほしいという要求が強い。
オリジナリティ重視か定着重視か
齋藤: オリジナリティ以上に「定着」に重きをおいた場合には…わざと鈍い刀をつかいながら生きていくみたいなことを意識しないと、定着はむずかしい。
ネットは私塾
梅田: 三十年たったときに、「あの人はネット上で私塾を開いた初めての人だったんだ」とか言われたいですね。今は誰もそんな風に行ってくれる人はいないけれどk、勝手に理論武装しながら、新しいことをやる。
「寒中水泳」ではもぐってしまったほうが楽
齋藤: 外から割り振られた役割より、自分はこうありたいんだという希望も含んだ自己規定の比重のほうが、若い人の間では大きくなっているのだと思います。それが行き過ぎてしまうと、こだわりが全面に出すぎて、自分自身のやりたいことが優先されて、会社の中でふられている役割との間に摩擦があったり距離があったりして、半年ももたずに一年以内で辞めてしまうということも多くなる。
齋藤: 僕自身は5年スパンで考えます。25歳から30歳は修業期間と考えて…自分に資本を蓄積する。…これはゲーテのアドバイス「重要なことは、けっして使い尽くすことのない資本をつくることだ」だったわけですが、このアドバイスを信じていました。
齋藤: 「この3年」「この5年」という限定した期間は、希望をもつというよりも、この期間は積極的な意味で「あきらめる」という感じです。…人からの評価や金銭的な評価はあきらめて、自分自身で意味付けする。自分で背負う。
「組織に与えているもの」と「組織からあたえられているもの」
梅田: 「自分が組織から与えられるもの」と「自分が組織に対して与えているもの」の天秤が傾いたとき(「与えているもの」のほうが重くなったとき)に辞める、というのが僕のロジックなんです。
量をこなすことをおそれない
梅田: 僕は基本的に、ものごとというのは、だいたいのことはうまくいかないという世界観をもって生きていますね。だから、一個でも何かいいことがあったら大喜び。
「好きな仕事」でないとサバイバルできない
梅田: 「自分の志向性とその仕事が合っている」ということに自覚的であるということが、これからますます求められると思うんですよ。
梅田: 「好きなことを貫くと幸せになれる」というような牧歌的な話じゃなくて、…自分の志向性というものに意識的にならないと、サバイバルできないのではないかという危機感があって、それを伝えたい
齋藤: どの領域を選ぶかというときに、「心のセッティング」がうまくて、何かに入れこめる人は大丈夫だと思うのですが、「入れ込めない人」には厳しい時代かもしれませんね。…要求される仕事量がどんどん増えてきた時に、入れこめないとだめということですね。
メンタル面での自己浄化装置を持つ
齋藤: 「なんとか職人」という感じの自己規定をしてみると、腹が決まるというか、逃げ出せなくなって、そうなると、細部に楽しみを見いだすことが出来るというメリットがあります。
齋藤: 「言葉を味方につける」。人に言われて嬉しかった言葉は、ちゃんと手帳にメモして残しておくとか、人から来たいいメールのみ残しておく、ということをやってみる。…言葉というものは、心の浄化機能としてすごく大きな役割を果たします。
齋藤: 新鮮な気分ってありますよね。…仕切り直しというのかな、すっきりとしたからだに戻す。例えば、それをトイレに立つ旅にやりますと、気分を入れ替えるということが「技」になっていく。そうした人とはつきあいやすいな、ということになる。
生活が作品
齋藤: ビジョン、アイデア、スタイルの3つの概念を僕はふだんよく意識する
齋藤: 暗黙知を共有しているときに幸福感を味わえる
優先順位のつけかた
梅田: 有限性にどうして気がつくかというと、やはり、昔から、いろいろな物事をギリギリまでやっているからなんでしょうね。別に仕事に限らず、中途半端でなくギリギリまでやると、自分という人間ができることの有限性につきあたる。そのことに早い時期に気づくことがすごく重要だと思うんですよ。
齋藤: 僕の場合は非常に原理がシンプルなので、幸福の原理もけっこうシンプルなんです(笑)。「これさえ確保できれば幸せ」というハードルがあるのですが、それをクリアするのはそんなに難しいことではない。幸せではない日というのは少ない。幸せのハードルを低めに見積もっておくと、判断基準もシンプルになっていて、必要ないものが先に判断できる。ほとんどのことには手を出さないですね。
「How are you?」はなぜいつも「Fine」か?
齋藤: そういう意味じゃ、厳しい社会ですよね。常に体調のいい、テンションの高い、ready 状態でないといけない。日本人だともっとゆるい。
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